
By: Chalon Handmade
毎日の暮らしの中で、注意していないと猛威をふるってくるカビ菌。お風呂場はもちろん、居間や寝室などでも湿気がたまると発生しては、被害を大きくしていきます。
よく耳にする「カビ菌」、その発生メカニズムや発生させない対策、カビ菌が人体に与える影響や病気・アレルギーなどについてご紹介します。
カビ菌が発生するメカニズム
カビは空気中を常に漂っていて、空気中の1m3当り80個前後のカビ菌が存在しています。
私たちは呼吸するたびに、知らぬ間に一緒に吸い込んでいます。
普段、空気中を飛び回っているカビ菌ですが、それらは目に見えません。では、いつ我々の目に見える姿を形成していくのでしょうか?

By: Martin Pettitt
空気中のカビ菌はいわゆる種のような存在で、条件が揃うことで発育していきます。
空気中に舞っているカビ菌は胞子の状態で、フワフワと漂ううちに色々な物質に付着します。付着した環境の湿度(80%以上)や温度(20~30度)などが、カビ菌の成長にとって都合の良い状態になると、胞子が出芽を始めて菌糸を伸ばして成長をし始めていきます。
主に、カビ菌が好む環境は…
- 温度が適温(25~28度が最も適温)※文部科学省「カビ対策マニュアル」より
- 栄養分が豊富(ホコリやチリ、お風呂場の垢など)
- 湿気がある(80%から活発になる)
- 酸素がある(呼吸と発酵で使う)
以上の4つが大きな要素となっています。
カビ菌の発生を抑えるために注意すること
カビが発生してしまう4つの要素がわかったので、それらを防ぐことが大切になります。
しかし、どうにも防ぎきれないものもありますね。
温度が適温
カビ菌が好む室温は、私達が日ごろ快適に生活している温度である25度付近と同じ環境です。なので、室温を厳しい環境にはできません。
酸素がある
これもどうしようもない。
栄養分が豊富
人間にとってはジャマで不衛生なホコリ・チリ、垢。
しかし、カビ菌にとっては全てが栄養素になると考えて良いです。石けん水の残りカスや廃棄物なども含め、どんなものでもカビの栄養になってしまうので、「室内環境を清潔に保つ」というのがとっても大切になります。

By: Quim Pagans
部屋がいつもホコリだらけだったり、浴室や洗面所などの水回りを垢だらけにしていると、
菌に栄養を与えているのと同じ事になります。
定期的な大掃除や、日頃からの丁寧な掃除・片付けが効果的ですね。
湿気がある
カビ菌は湿度が80%を越えた辺りから成長しやすくなります。
カビと聞くと、まずはお風呂場をイメージされるんじゃないでしょうか?つまり、普段から湿気の多い空間は気をつける必要があります。
また、湿気の注意は浴室だけにとどまりません。
- < 3~6月 >春の長雨
- < 6~7月 >梅雨の時期
- < 6~10月 >エアコンの結露
- < 7~10月 >台風や大雨による多湿
- < 9~10月 >天気が変りやすい
- < 11~4月 >冬場のストーブ乾燥のため加湿する
このような季節の特徴と、雨天の場合の洗濯物の部屋干しも湿度を高めてしまう要因です。
我が家の失敗は、部屋干し時の換気を怠ったことと、ストーブによる乾燥がツラくて、加湿機を使ったことでした。
部屋干しする時は換気扇を回すなど、積極的に湿度を下げるようにしましょう。窓を見てみて、結露して水滴が付いた場合は特に注意をした方がいいです。
床に座椅子を置いて座る生活スタイルの人は、座椅子や座布団を定期的に日干ししたりして
乾燥させ、座椅子を置いている場所に湿気が集まらないようにする配慮も必要です。
掃除と空気の入れ替えを定期的に行うようにして、日頃からカビに対して注意を向けておきましょう。
カビ菌が人体に与える影響(病気・アレルギー)
カビ菌が猛威をふるう病気
空気中に漂っているカビの胞子は、普段の呼吸の中で体内に吸収されてしまいます。
健康的な人体であればカビに対する抵抗力があるのですが、生活習慣の乱れやストレス、
体質、抵抗力の低下などで病気に発展するケースがあります。
皮膚疾患について
水虫:白癬菌(はくせんきん)
白癬菌はカビの一種で、皮膚の角質層に寄生することで起こってしまう皮膚の病気です。手や体にも感染はしますが、全体の9割近くが足に繁殖します。
一日中、靴やブーツを履いていると蒸れてしまい、カビの好む環境が形成されてしまいます。ブーツを履く女性も多いため、水虫になるのは男性ばかりでなく女性も注意が必要です。
また、すでに水虫の人の剥がれ落ちた角質にも白癬菌は生きています。そのため、素足で生活をしていた場合は他人に感染する恐れがあります。
水虫の場合は、家族や同居人の事も頭に入れ、早急な対応を心がけましょう。
内蔵疾患について
気管支肺アスペルギルス症:アスペルギルス
ちょっと聞き慣れない名称。アスペルギルス・フミガートスというカビ菌による、気管支の弱い人がなりやすい病気です。症状は喘息と診断される事もあり、咳、たん、呼吸困難などが挙げられます。
一般的な風邪の喘息とは違うので、処方された喘息の薬では症状が全く改善されないことがあります。その場合はこういったカビ菌が原因である可能性がありますので、医師に相談してみましょう。
カビ菌の影響でかかるアレルギー
夏型過敏性肺炎:トリコスポロン
こちらも名前は聞き慣れないですが、特にエアコンやお風呂場、洗面所などの水回りに潜むカビが原因で発症する肺炎です。
6月~10月の夏季をピークに発症するため、夏型という名前がついています。
空気中のホコリやチリに過剰反応する過敏性肺炎とは違い、吸い込んだカビ菌に対する反応が出るようになり、特に長時間室内にいる専業主婦に多い病気と言われています。
症状は発熱、咳、呼吸困難が挙げられますが、カビ菌の少ない空間(外出など、家から離れる)に移動すると治まります。
治療する場合は、まず自宅の清掃が大切です。
室内のカビ菌対策を行って清潔にするようにしましょう。湿気の多い台所、洗面所、お風呂場はしっかり乾燥させ、消毒などでトリコスポロンを除去します。
気管支喘息、アレルギー性鼻炎:アルテルナリア
このカビ菌も同上で、お風呂場や結露した窓の付近、台所などに繁殖するカビ菌です。
よくアレルギー性鼻炎はハウスダストが原因を言われていますが、ハウスダストに含まれているこのカビ菌も手伝っている可能性があります。
こちらも風邪の症状とは違い、市販薬や医師の処方した薬が効かない場合があります。その時は室内を清潔にして、アレルギー性の件について再度医師に相談しましょう。
私は当初、症状がよくわからず、とにかく市販薬を大量に無駄に使いました。さっさと病院に行って診てもらうのが早いし安いです。
まとめ
カビってすごく身近な問題で、誰しもが遭遇するのではないでしょうか?特にお風呂場なんかは黒いカビが繁殖して、カビ洗浄剤なんかで慌てて掃除したり。お風呂はまだわかるんですけど、居間とか寝室でカビを見ると激しくゾッとします。
湿気には特に注意をして、いつも清潔な室内環境にするように心がけていきましょう。