「よく噛んで食べると健康にいい」と昔から言われます。実際に科学的な研究結果でも、咀嚼機能と日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)には相関関係があり、咀嚼機能が高いほど、ADL・QOLが高いという報告があるのです。
そんな咀嚼ですが、じつは数々の研究結果から 「ガムを噛むと精神疲労度(ストレス)が低下し、リラックスできる」ということが分かっています。
ストレスが減り精神的に安定すれば、おのずと集中力も向上します。ガムは軽視されがちな食品ですが、その効果は眼を見張るものがあるのです。
論文による、ガムと集中力の関係
2009年の日本健康医学会雑誌に「ガム咀嚼が作業効率と疲労に与える影響に関する研究」という研究論文が出ています。
実際に行った実験内容は、次のようなものです。
- 20~30代の男女14名(男性4、女性10)を対象。
- ガムを噛むチームと噛まないチームに分ける
- 「内田クレペリン検査」を行って身体疲労度と精神疲労度を調査。
ガムを噛む場合と噛まない場合で、身体疲労と精神疲労にどのような変化が起こるのかを比較しています。
ちなみに「内田クレペリン検査」とは、簡単な一桁の足し算を行い、その結果を元に能力・特徴を測る、日本で開発された心理検査のなかでは、もっとも長く使われている検査のひとつです。
ガムを噛むと、精神疲労度が低下
クレペリン検査の前後で精神疲労度を計測した結果、次のことが分かりました。
- ガムを噛まないチームは、疲労度の平均値が約1.3倍に増加
- ガムを噛んだチームは、疲労度の平均値が約0.9倍に減少
通常、テスト等を行うと精神疲労度は上昇するのですが、この実験ではガムを噛むだけで精神疲労(いわゆるストレス)が軽減されていました。
試験や仕事のプレッシャー、精神的なイライラ、気分が落ち込んでいる時など、ストレスを緩和したい場面でガムを噛むと効果的です。ストレスが減ると余計な思考が減るため、集中力はもっと持続しやすくなります。
ガムを噛むと、眠気を抑制する効果も
また別の実験で「授業中にガムを噛ませて、ガム咀嚼に授業中の睡眠を抑制する効果があるのか?」を検証したという興味深い研究論文があります。
その結果から、ガムは学生の授業中睡眠を抑制する可能性が高いということが分かりました。咀嚼運動が脳に働きかけて覚醒をうながしています。授業中のガムは禁止でしょうけれども、自宅で勉強をする際には、ぜひ取り入れたい習慣です。
仕事中や勉強中の眠気というのは悩みのタネの一つでもあります。ガムを噛むだけで抑制できるなら、やらない手はありません。
ミントガムを噛んで、勉強・仕事中の集中力を高める
ストレスを感じるような勉強中や仕事中、「ガムを噛む」だけでも十分な効果がある!ということが分かったので、ぜひ日常生活に取り入れましょう。
ガムの味にまよったら、おすすめは「ミント」です。
研究結果から、ミントは「頭がスッキリする」「元気が出る」など気分を向上して、集中力を高める可能性があることが分かっています。勉強中・仕事中に噛むガムの味はミントが最強です。
おすすめのガムは「クロレッツ」シリーズです。
ちなみに、青色や水色は集中度を高める効果があるということが研究論文から分かっているので、目の届く範囲に置くなら「クリアミント」にしましょう。
まとめ
ということで、ガムの咀嚼と集中力に関する研究結果について書いてきました。
- ガムを噛むと精神疲労度が低下してリラックスできる
- ガムは眠気を抑制する
ということが分かりました。退屈な仕事中や昼食後の眠たくなる頃に、欠かさずガムを噛みましょう!お気に入りのミントガムを探して、集中力の持続にお役立てください。