勉強中や仕事中、あなたはいつもスマホをどこに置いていますか?すぐに画面を見れるように手元に置いたり、通知音が聞こえるような、すぐ近くの棚の上だったりしていませんか?
じつは、数々の研究結果から「スマホが手の届くところにあると、集中力は著しく低下する」ということが分かっています。
しかも厄介なことに、スマホに「触る・触らない」に関係なく、ただ目の前にスマホがあるだけでも集中力が低下するという驚きの内容となっています。
「スマホでADHD悪化するしIQも下がるぞ!」の記事でも紹介したように、集中力にとってスマホの存在は害悪でしかありません。
論文による、スマホと集中力の関係
2014年の米テキサス大学オースチン校の研究記事「The mere presence of your smartphone reduces brain power, study shows」に、スマホが集中力に及ぼす影響について書かれています。
実際に行った実験内容は、次のようなものです。
- 約800人のスマートフォンユーザーを対象。
- 集中力を必要とするテストを被験者に受けてもらう。
- 無作為に選ばれた被験者は、スマホを机の上に置いてテストを受ける。
- その他の被験者は、スマホを別室に置いてテストを受ける。
- 被験者のテスト成績を比較する。
目の前にスマホが「あるか・無いか」の違いを比較しています。
スマホがあるだけで、成績は下がる
ただ自分の近くにスマホを「置く・置かない」というだけなのですが、この論文の結果、次のことが分かりました。
手元のタスクに集中してるつもりでも、スマホが近くにあるだけで認知能力が低下してしまうという結論でした。勉強や仕事の際には、スマホを別室に置くのがもっとも集中力が高まり、作業効率が高いということです。
ポケットやカバンの中に入れても成績が下がるというのが恐ろしいですよね。
集中力は、わずか「2.8秒の邪魔」によって崩壊
集中力に関する別の論文「Momentary interruptions can derail the train of thought.」では、わずか「2.8秒」の邪魔が入るだで、作業成績が「半分以下」にまで落ちるという結果です。
ちなみに、4.4秒の邪魔が入った場合は、なんと1/3にまで作業成績が落ちます。
例えばスマホの通知音や振動音が耳に入り、うっかり気を取られた場合、その時点ですでに集中力が失われているわけです。時間換算にして、1時間で終わる仕事は2時間に、2時間で終わる仕事は4時間になる……恐ろしい結果ですね。
昨今では肌身離さずにスマホを持ち歩く人も多いと思いますが、科学的にはスマホと勉強・仕事の相性が良いとは言えないため、集中すべき時には何かしらの対処をすべきです。
スマホとの距離感に、メリハリを付けないといけないね。
集中力が長く続く!スマホをそばに置かない工夫
スマホが近くにあるだけで集中力は激減し、通知音や振動音に気が向いただけで作業効率も下がるという、興味深い結果でした。集中したい時はスマホを遠ざけておく必要がありそうです。
ということは、集中したいときのスマホの場所をあらかじめ決めておけば良いのです。
- 見えないところに置くか、片付ける
- 簡単に開けられない所に強制的にしまう
見えないところにしまう
先ほどの論文では、「①別の部屋に置くと良い」「②ポケットやカバンにしまうよりも効果的である」という2つのポイントがありました。
つまり、なるべく「別室に置く」ように心がけると良さそうです。
自宅で勉強・仕事をする場合
自宅の場合は、置きっぱなしにしている間、家族にスマホを見られたくないと思う人もいるかもしれません。
例えば、自室がある人の場合は自室で行うが多いと思いますが、あえて居間で行い、スマホやタブレット、ゲーム機などを自室に置くというやり方もあります。
自室に置けば家族に見られる事もないでしょうし、家族の目があることでサボりづらくもなるので一石二鳥なのです。
図書館・職場でする場合
「ポケットやカバンに入れても、別室に置くよりは効果が下がる」とありましたが、その差異は「わずか」であることを考えると、自宅以外の場所では「しまう」のがもっとも得策のようです。
そして、しまっておく場合は通知音、振動音をOFFの状態にして、気が散らないようにする方が良いでしょう。あらかじめスマホをチェックする時間を決めておけば、さほど問題もないはずです。
ちなみに、わたしは自宅作業中は必ずスマホもタブレットも居間に置き、自室で作業を行っています。職場では、普段目につかない位置の棚に置きます。スマホに邪魔をされない方が、作業効率が高まるのを実感していますよ。
簡単に開けられない所にしまう
机の抽斗や鞄だと、ついついスマホに手が伸びてしまう……。そういうスマホ依存の強めな人は、強制的に片付けてしまうアイテムを使うのも手です。
「タイムロッキングコンテナ」といって、タイマーが0になるまで開けられない仕組みになっている、とても画期的な禁欲ボックスがあります。 クイズ番組で有名な「松丸亮吾さん」も愛用しているアイテムです。↓↓
使い方はとても簡単です。
- STEP1:しまいたい物を入れて、蓋をする
- STEP2:任意の時間にタイマーをセット
- STEP3:タイマーが0になったら、蓋が開く
たったのこれだけで、強制的に片付けてしまえます。取り出せるようになるまで、ひたすら作業に集中しましょう。
スマホの他にも、例えば次のようなものも、一緒に片付けると効果的です。
まとめ
ということで、勉強・仕事の集中力を低下してしまうスマホの研究結果について書いてきました。
- スマホをそばに置くだけで成績は下がる
- 集中力はたった「2.8秒」の邪魔で崩壊する
ということが分かり、2つの工夫は下記のようになります。
- スマホを別室に置く
- 強制的にしまう(タイムロッキングコンテナ)
ただそばに置いておくだけなのに、集中力が低下してしまうというのは恐ろしいですね。しかも、別の論文ではスマホの使用頻度が高いほどADHD発症率は高まり、IQも下がるという結果もあります。
スマホとの距離感について、考えなくてはなりませんね。
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