勉強や仕事で集中したい時間に、あなたはどんな色のペンを使っているでしょうか?一般的にはシャープペンシルのような「黒」や、チェックをする際には「赤」を使うのが主流かと思います。
じつは、数々の研究結果から「うす青色(水色)はテストで高得点を出し、集中力も高まる」ということが分かっています。ペンの色だけでなく、視界に入り認知する物であればどんな物でも良いので、工夫次第では「超集中部屋」を作ることも可能となります。
逆に、使用すると集中力が低下する色もあるため、配色にはコツが必要です。
論文による、色と集中力の関係
2013年、教育システム情報学会誌「コンピュータを用いた英語文法テストに及ぼす画面背景色効果の検証」という研究論文には、色が集中力に及ぼす影響について書かれています。
- 大学1・2年生の男子学生244 名を対象。
- 英文法問題を「異なった画面背景色」で一定時間で解答させて、テストの得点が『背景色』で異なるかを比較。
- 問題数は40問、すべて4択形式。
- 青、赤、白、黄、うす青、ピンク、うす黄、うす緑の8色。
英語テストで高得点を出す色は「うす青」と「青」
この論文の結果は、「英語テストの平均点がもっとも高かったのは『うす青』で129点、次に『青』で125.71点、テストの点数が一番低いのは『黄』で109.13点」というものでした。
「うす青」と「黄」で、なんと20点近い点差がついてしまうという、驚きの内容です。ただ色が違うというだけで、これ程までのパフォーマンスの違いが生じてしまうのです。
この結果だけでも、普段から使う「色」について、深く考えさせられます。
試験後のアンケートでも、集中できたのは『うす青』
試験終了後、被験者に下記の内容について「5段階スケール」で答えるアンケートを実施しました。
- 自分が解いた問題の背景色が好きか
- 問題に集中できたか
- 疲れたか
- 問題が難しく感じたか
このうち、「問題に集中できたか」というアンケート結果を調査したところ、「非常に集中できた」と「集中できた」と答えた人がもっとも多かったのは「うす青」で56.81%。ちなみに、テストで一般的な背景色として使われる「白」は41.94%でした。
つまり、「うす青」は普段(白)と比較して約1.35倍も「集中できている」という自覚が高まり、さらに実際に最も高得点を叩き出す色というわけです。
もっとも集中度が低かったのは「赤」
上記アンケートの結果、もっとも集中できなかったと答えたのは「赤」で20.83%でした。赤には興奮作用があり、血圧や脈拍が上がるため、落ち着きがなくなり注意力散漫となるようです。
ロチェスター大学の研究では「IQテストの表紙を赤・白・緑の3色とした場合、赤色を選んだグループの平均点が20%も悪かった」という結果が出ています。
「水色」を配置して集中力を高めよう
水色(うす青色)がテストでもっとも高得点を叩き出し、もっとも集中力を高める色ということが分かったので、さっそく勉強・仕事のデスクまわりや部屋に配色していきましょう。
例えば、下記のような内容であれば、簡単に用意できそうです。
- ペンの持ち手、ペンの芯色
- 消しゴム
- ペン立て、ペンケース
- パソコン・スマホの壁紙、スマホケース
- 付箋、ノート、バインダー
- 部屋のカーテン、時計
- コップ、小物
- 青系のワイシャツ、ネクタイ、洋服
ちなみに「スマホの壁紙」と書きましたが、スマホは片付けた方が集中力が高まるという研究結果が出ています。
勉強中・仕事中は、できる限りスマホを片付けるか、遠ざけるようにしましょう。
逆に、勉強や仕事に集中したいときに避けたい色は「赤色」なので、できる限り机の周辺に赤色を置かない工夫をしましょう。
赤色を使う場合は、例えば水色の持ち手のペンに「赤色の替芯」を入れて、意図的に青系の色を増やすという手もあります。
まとめ
勉強・仕事に集中しやすくなる色の研究結果について書いてきました。
- もっとも高得点を出す色は「うす青(水色)」と「青」
- 集中力が高まると感じられる色も「うす青」
ということが分かり、集中したい場合にもっとも遠ざけるべき色は「赤」という結論でした。
大きく結果を残したい場面では、積極的に青系の色を取り入れるのが良さそうです。工夫をして、集中力を最大限高められる自分だけの超集中空間を作り上げましょう。
科学的に実証されている、集中力を高める方法が「これでもか!」というくらい書かれていて、勉強・仕事のシーンでとても役立つ一冊です。
もちろん、「水色の効果」のことも、当たり前のように書かれていました。