あなたは普段の生活の中で、スマホやタブレットなどのデジタルデバイスをどのくらい使っていますか?便利で楽しいからと、長時間使い続けていませんか?
このような症状に気が付いた方は、もしかしたら「スマホの使いすぎ」による影響を受けているかもしれません。
じつは、数々の研究結果から「スマホなどのデジタルデバイスは、ADHDの進行を加速して集中力を下げ、IQも下がる」ということが分かっています。(※ADHDとIQについては後述します)
「机にスマホを置くな!」の記事でも紹介したのですが、「集中力」にとって、スマホの存在というは本当に害悪なのだということが、あらためて分かる内容となっています。
論文による、スマホとADHD・集中力の関係
2018年のカリフォルニア大学の研究記事「Association of Digital Media Use With Subsequent Symptoms of Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder Among Adolescents」に、スマホとADHD症状の関連が書かれています。
実際に行った実験内容は、次のようなものです。
- 高校生2587名が対象。2014年~2016年の2ヶ月間を調査。
- 14種類のデジタルメディアに対し、使用頻度をアンケート集計。
- ADHD症状とデジタルメディア使用頻度を比べる。
ADHDとは「不注意、多動性、衝動性」という3つの症状のある状態のことで、具体的には次のような行動をとります。
ADHDの詳しい内容につきましては、下記サイトをご覧ください。
スマホはADHDの症状を悪化する可能性が高い
この論文の結果、次のことが分かりました。
デジタルメディア(LINE、メール、Twitter、Instagram、Facebook、You Tubeなど)をよく使う人は、一般の人に比べてADHD症状が6%も多く出やすくなるという結論です。
ADHDの症状が出やすくなるということは、「落ち着きがなくなる」「ミスが増える」などの症状が出やすく、集中力に大きな影響を与えます。
デジタルメディアの使用頻度の高さとその後のADHDの症状との間には、統計的には有意ではあるが中程度の関連性が認められました。この関連性が因果関係にあるかどうかを判断するために、さらなる研究が必要です。
研究論文より
上記の「デジタルメディア」と呼ばれるLINE、メール、Twitter、Instagram、Facebook、You Tubeなどは、主にスマホでできますし、それらを利用することを理由にスマホの使用時間が長くなっている方がほとんどです。
メールやLINE通知がIQを下げる
IQとは「Intelligence Quotient」の略で、人の知能の基準を数値化したものです。「発達障害事典」によると、以下のような枠組みがあります。
- IQ130以上:きわめて優秀
- IQ120~129:優秀
- IQ110~119:平均の上
- IQ90~109:平均
- IQ80~89:平均の下
- IQ70~79:境界線級/ボーダーライン
- IQ70未満:知的障害
例えば、IQが10ポイント上がると、人生を左右するくらいの大きな変化があると言われており、IQのポイントは私たちの人生に大変な影響を与えています。
2005年のキングス・カレッジ・ロンドン精神医学研究所が行った研究「Emails ‘pose threat to IQ’」によると、「電話やメールの対応によって、IQは平均で10ポイントも低下した。それは、大麻使用者の研究で見つかった4ポイントの平均低下の2倍以上である」と結論づけています。
スマホのメール・LINE通知で頻繁に操作を繰り返していると、IQはどんどん低下してしまいます。IQポイントの下がり幅は大麻使用者以上であり、スマホに縛られる生活の危険さが浮き彫りとなりました。
集中力をアップする、スマホを遠ざける習慣術
スマホの使用頻度が多いと、ADHD発症率が高まり、IQも下がるという非常に興味深い結果でした。では、そんなスマホに対し、どのように距離を取れば良いのでしょうか。
スマホを遠ざけるコツとして、次の3つの習慣を紹介します。
勉強中・仕事中はスマホを片付ける
「机にスマホを置くな!」の記事で詳しく紹介していますが、『スマホが机の上にあるだけ』で、認知能力は下がることも分かっています。
勉強中・仕事中は、できる限りスマホから距離をとるために、「①抽斗にしまう」「②別室に置く」などの対策をしましょう。スマホが視界に入らなければOKで、これだけでも集中力が持続するようになります。
それでもスマホに触ってしまう方は、「タイムロッキングコンテナ」というスマホ・ゲーム強制隔離ボックスを使うなどの工夫をして、一定時間スマホを引き離しましょう。
クイズ番組などで有名な「松丸亮吾さん」も愛用しているアイテムです。↓↓
わたしは、読書やブログ執筆などで集中力を必要とする場面では、必ずスマホとタブレットを別室に置きますし、仕事中は自分の目に付かない位置にある棚に置きます。たったこれだけで、驚くほど集中できるようになりました。
普段の生活が、いかにスマホの影響を受けていたかが身に沁みます。
LINEやメールをするタイミングを決める
スマホに来た通知やメールは、そのまま無視しておく訳にもいきません。そこで、スマホの通知をチェックする時間を決めましょう。その際にも、ダラダラとスマホを操作し続けるのはダメですよ。
先程の論文では下記のように記載されています。
調査によると、最も被害が大きかったのは、電子メールを扱う際の規律がほぼ完全に欠如していたことだという。
研究論文より
「通知が来たら見る」という単純なルールが、本来持続するはずの集中力を阻害しています。例えば、LINEやメール、SNSのチェック時間をあらかじめ「9時、12時、15時、18時、寝る前」にルール化しましょう。タイミングを決めておけば、その時間までは集中力を維持できます。
でも、仕事のメールはマメにチェックしないと。
仕事のときは、急務でなければ急いで返信をせず、決まった時間に一気に返信するなどして、メールのタイミングを減らしましょう。
常に相手のタイミングに縛られる生活に慣れてしまうと、本来発揮できるはずの実力を半減させてしまいます。
スマホでする事を最小限にする
スマホに依存しない方法として、あえて手書きでメモをとったり、日記を書いたり、スケジュールを管理するのも手です。実際はスマホを使わなくてもできることが大半ですし、手で書いたほうが記憶にも残りやすいため、脳トレの観点からもおすすめです。
時間を有効活用したい場合をのぞき、手書きのようなアナログ処理で済ませられるものは済ませてしまいましょう。
わたしが読んだ書籍の中で、マンガでわかる「やめる習慣」には、スマホをやめる習慣や、間食をやめる習慣などが、マンガと文章で分かりやすく書かれていました。良い習慣を続けるための、マンガでわかる「続ける習慣」とワンセットで読むと、より理解が深まります。↓↓
上記の2冊は、下記の「マンガでわかる系をまとめた記事」でも紹介しています。
まとめ
勉強に集中ができなくなるスマホの研究結果について書いてきました。
- スマホはADHDの症状を悪化する
- メール、LINEはIQも下げる(大麻の2倍以上)
ということが分かり、3つの対策法は下記のようになります。
- スマホを片付ける(タイムロッキングコンテナ)
- メール、LINEのタイミングを決める
- スマホは最小限で使う
長時間のスマホ操作は、脳にも健康にも良くないため、アナログ式に変えられる部分は変えてみましょう。
まずは「LINEとSNSのチェック回数を減らす」など、小さな目標を立てて取り組んでみましょう。
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