仕事で行われるプレゼンテーションや打ち合わせのときに、うまく説明ができなかったり、説得力がないことで悩んだりしていませんか?
わたしは会話が下手なので、相手に説明したり、説得するときは「論理的な会話で、もっと上手に話をしたい!」といつも思っています。
そこで手にとったのが、ロジカル・シンキングを会話術に落とし込んだ本【必ず伝わる!ロジカル会話術】でした。
相手に説明をするとき、「この言葉の意味は分かってるだろう」と思って話をしていませんか?もしかしたら、相手に伝わっていないかも。
たとえば、「ディベート」と言うよりも、「議論(討論)」と言ったほうが、間違いなく相手に伝わります。(私は分からんかった……。)
こんなふうに、ちょっとした会話テクニックも含めて、この本で学べますよ。
本記事は、船川淳志さんの著書【必ず伝わる!ロジカル会話術】について書いていきます。
著者:船川 淳志さん(ふなかわ あつし)
船川 淳志さんの紹介
本の概要
ロジカル・シンキングの本はたくさんありますが、その中でも「会話術」として日常的に使えるレベルに落とし込んだ本。
相手との関係を築きながら信頼を得るための会話テクニックが、分かりやすいマンガでまとめられていて、とっても読みやすいです。
作画は「深山雪男」さん。
ロジカル・シンキングの基本である「演繹法」や「帰納法」も、文章とマンガで分かりやすく書かれていますよ。
その他の書籍
思考力やコミュニケーション力を高める著書が多いですね。
【必ず伝わる!ロジカル会話術】ポイントを3つ紹介
【必ず伝わる!ロジカル会話術】の数あるポイントの中から、
上記の3つについて、簡単に紹介します。
聞き上手は相づち上手!その1
相づちは、聞き手が話し手に対して発信するメッセージです。
<中略>
そうすると話し相手は、自分の伝えたことが受け入れられたと理解でき、心理的な距離が縮まり、共感が生まれます。その結果、会話がスムーズに運ぶようになるのです。
【必ず伝わる!ロジカル会話術】 より
普段の会話で相づちはよく行うと思いますが、「えぇ、はい、は~、まぁ」などの間投詞だけで終わっていないでしょうか?
相手の発言に合わせて、こちらの共感を示しながら相づちをすると良いと筆者は言います。
たとえば、「契約を結べた!」と相手が言ったら、ポジティブな内容なので
反対に、「子どもが病気で……」と言ったら、ネガティブな内容なので
このような相づちひとつで、相手の共感を得たり、重要な情報を引き出すことができます。「共感の一言」をプラスするだけでも、ぜんぜん違って見えます。
聞き上手は相づち上手!その2
リフレクティブ・リスニングとは、相手の言葉を反射(リフレクション)させるように、そのまま返しながら聴くテクニックです。
<中略>
口の重い相手から話を引き出したり、相手の発言の真意を聞いてみたり、状況をさらに聞き出す時に効果的です。
【必ず伝わる!ロジカル会話術】 より
間投詞だけでなく、「共感を示す」をプラスしつつ、相手の言葉を繰り返してあげることで、2つのメリットがある!と筆者は言います。
相手の「○○でね」という発言に対して「なるほど、○○なんですか」と答えると、ちゃんと話を聞いてくれているという信頼感を抱かせる。
「なるほど、○○なんですか」と答える間、話の流れや、話題を広げる方向など、聞くべき情報を考える時間を確保できる。
相手の気分や状況に共感すると、発言の真意を言ってくれたり、状況を教えてくれたり……その後の話が続きやすくなります。
私みたいに「スグに会話が終わっちゃうんだよね……」っていう人は、今すぐに使い始めたい技術。
いままで会話に無頓着だったというか、あまり深く考えて来ず、いつも思いつきだけの会話だったので、私のそういう所もダメだったのかも。
「口ぐせ」にも注意してみる
問題を構造化する時、おすすめの口ぐせが「そもそも」です。
<中略>
「そもそも」と言った途端に、脳は原理原則に沿った動きを始めます。「そもそも、根本的な原因は?」と問うことによって、現象に目を奪われることなく、本質的な原因に迫る口火を切ることができるのです。
【必ず伝わる!ロジカル会話術】 より
思わず「なるほど!」と言いたくなる内容。自分の口ぐせを変えることで、思考の方向を自然と矯正できると筆者は言います。
たしかに、仕事で問題に直面したときに、「そもそも」と考えることが習慣化されていれば、早い段階で解決策を提案できるかもしれませんね。
そして、私が特に気になった口ぐせがこちら。
「あえて」を使うと、言外げんがいになんらかの理由があることを相手に伝えることができます。つまり、聞いている側は、「これは何か、意図があるんだな」と思うわけです。
<中略>
この場合、逆効果になるのが、「とりあえず」で、これを使うと「他にアイデアないのかな」とか、あるいはいかにも場当たり的な印象を与えてしまうのです。
【必ず伝わる!ロジカル会話術】 より
「とりあえず」が口ぐせの私には、刺さりすぎて瀕死。
プレゼンや交渉の勝負どころに限らず、普段の打ち合わせ、説明のなかで「とりあえず」と言っちゃってる人は、「あえて」に変えると印象が変わるかもしれません。
「とりあえず」と言いそうになったら、グッと飲み込むようにします(反省③)
【必ず伝わる!ロジカル会話術】感想
こんなふうに、今よりもっとうまく説明したり説得する方法が詰まった1冊。
「論理的思考」と言われただけで臆するような私にとって、マンガで解説してくれているというのはホントにありがたい。入門書に最適でした。
実際に読んでみると、マンガだから余計にキャラに親しみが湧くし、そのおかげで記憶にも残りやすいなって感じましたよ。
口下手な私なので、内容に共感・納得できるポイントがたくさんあって、普段やってしまっているコトへの反省点もたくさん見つけました。これはありがたい!
また、普段の仕事でバリバリ使えるテクニック(相づち・詭弁の対応など)ばかりだったのも好印象でしたね~。
強いて言えば、マンガでページ数が取られるので、内容が少なく、入門書寄りなイメージ。
興味を持った私としては、1冊じゃ満足できない!っていう物足りなさも感じたよ。
でも、まず「興味を持ったこと」自体が成長だと思っているので、さらなる成長のためにまたロジカル・シンキングの本を漁ってみようと思います。
毎日の仕事で「うまく説明したい!説得力を増したい!」とお悩みの人におすすめの良書でした。